店長は愚痴っぽい 「わくわくブレンド誕生秘話!」 (これは実話です。) -2000.12.- コーヒー豆屋なんてやるもんじゃない。こんな儲からない商売。開店して1年半にもなるのに、食べていくのがやっと。来年には上の子が小学生。大きくなれば、教育費は大変だし、たまには美味しいものでも食べに行きたいし。なんとかもう少し売れないかなあ。 皆さん知ってますか。コーヒー豆業界にも経営コンサルタントさんがいるんですよ。それも、知る人ぞ知る、有名な船井総研です。船井さんからDMが送られてきたんです。「コーヒー豆の販売量を増やすセミナー」それに参加したのが運の尽き。船井さんの術中にはまって、経営指導を受けることになったんです。早速やってきたのが、岡村さん(28才)。若いですよねえ。エリートなんですね。きっと。彼が当店のコーヒー豆の価格表を見るなり、 (岡村) 「佐野さん、ずいぶん高いですねえ。」 (佐野) 「ええ!そうですか?他の自家焙煎店よりは安めにしたんですよ。 それにうちで仕入れている生豆は本当に最高級で、普通の焙煎店さんの 倍近く、大手さんに比べたら3倍位するものですよ。」 (岡) 「質のいいのは当然として、お客様にも予算というものがあるんですよ。 コーヒーも一般的になってきて、もっと安いのが一般的です。それに時代は 良品安価ですよ。安くていいものを提供できるところだけが生き残れるん です。」 (佐) 「(グウの音も出ず。) わかりました。考えてみます。」 若造のくせに言いたい放題言いやがって。わかったよ。作ればいいんだろ。とは言うものの生豆の質は落としたくない。大きい釜で一度に焙煎すれば薄利多売でもいいけど、どうしても売りきるのに時間がかかって鮮度が落ちる。手間はかかっても鮮度を大事にしたいから、小型焙煎機にしたんだ。しかも、中々うまく焼けない小型焙煎機を使いこなして、専門家に神業と言わせるくらいにうまく焼けるように努力したんだぞ。そんなに安売りできるか。 少し冷静になろう。彼の言うことは本当だ。さて、どうするか。まず、生豆は今使っているものの中では比較的安いものにしよう。それだって最高品質だし、焙煎次第で美味しくなる。後はブレンドで味を作ればいい。もし、このブレンドが軌道に乗れば、大きい焙煎機を導入しよう。売れ筋は大きい焙煎機、その他は今までの焙煎機。そうすれば、鮮度は保ちながら薄利多売ができる。品揃えも今まで通り60種類以上にできる。お客様の好みは大体3つ。サッパリタイブ、マイルドタイプ、苦味とコクのタイブ。小金井中の人をワクワクさせたいから、「小金井わくわくブレンド」ライト・マイルド・ストロングの3種類だ。最高の生豆と最高の焙煎だ。価格は、600円くらいかな。これなら、彼も納得するだろう。 (佐) 「……というわけで、小金井わくわくブレンド3種にしました。どうですか。 600円のテスト販売ではお客様も喜んでいますよ。」 (岡) 「佐野さん。味はいいと思います。でもね、まずいとはいえ、スーパーでは いくらで売っていると思います?200g 4~500円からですよ。あなたが 小金井で一番のコーヒー屋になりたいなら、1コインで買える値段、 480円にしてください。セールの時はもっとお安く提供するんです。 他のも全体的に安くしてくださいね。」 (佐) 「(しばし絶句) ....(チクショウ。こうなりゃヤケだ。)わかりましたよ。 やればいいんでしょ。480円。そうします。」 (岡) 「そうと決まったらデビューのセールをしましょう。わくわくブレンド、 どれでも3個で、777円なんてどうですか。」 (佐) 「そんなことしたら原価割れしちゃいますよ。頼みますから、3個で888円。 200gあたり296円にしてください。」 (岡) 「まあ、いいでしょう。じゃあ、その線で行きましょう。」 はっきりいってヤケッパチ状態です。どうして、一回り以上も年下の若造にここまでいわれなきゃ行けないの。しかも、こっちがお金を払ってるんだよ。少しだけど。 ね。コーヒー豆屋って大変でしょ。間違っても、コーヒー豆屋なんか、やろうと思っちゃいけません。でも、しょうがないです。彼の言うことは本当のことだし、このくらい言われないととてもつくれなかった。今は気持ちを切り替えました。よし、思いきり安く、皆さんにたくさん買っていただこう。それで、大きい焙煎機を買おう。小金井中を珈琲鳴館のコーヒーの香りであふれさせるんだ。頑張れば、何とかなるさ。 あきれちゃいました?でも、これが私です。新世紀もよろしく、お願いします。 焙煎人 佐野淳一 PS. わくわくブレンドもおいしんですが、他のブレンドはもっと美味しいのです。 どうか、そちらも買ってください。よろしくお願いします。
渋谷進出は真実なのか ?! (これは実話です。) 2001.04. コーヒー豆屋なんてやるもんじゃない。こんな儲からない商売。開店して丸2年だというのに、ちっとも生活は楽にならない。小学生になった淳子の机は通販のニッセンで買った安物だし、6月は女房の誕生日。去年・おととしは何も買ってやれなかった。今年こそは何か....。 皆さん、年末はありがとうございました。けっこう売れたんです。わくわくブレンド。でもね、売れて困っちゃったんです。3個で888円なんてしたもんだから、一人で30個も買っていった人がいて、ありがたいんですが、困っちゃった。30個焼くのに15回焙煎しないといけないんです。年末の1週間は、朝3時に起きて、ずっと焙煎しっぱなし、はっきりいって身体がもちません。数の割には売上は少ないし、1、2月は反動であまり売れなかったし、商売は厳しいですねえ。(渋谷の話まで、あと21行。) (私・淳一) 「けっこう安くしたから、売れてはきたけど焙煎が大変だよ」 (女房・聖子) 「そうよねえ。身体は大丈夫?」 (淳) 「今のところはね。でも、先々を考えて大きい焙煎機を買おうよ。」 (聖) 「焙煎機ってどのくらいするの。」 (淳) 「新品だと200万。中古でも100万くらいかな。」 (聖) 「(眉毛をピクリと上げて) それは....。無理ね。」 怖いですねぇ。この瞬間の雰囲気わかっていただけますか。やっぱり駄目かなあと思いながら、知り合いの焙煎屋さんや問屋さんなんかに中古の出物がないか声を掛けておいたんです。そしたら、あったんですよ。フジローヤル5Kg釜、直火遠赤外線仕様。これならたくさん焼けるし、香りだって今までよりさらに良くなります。値段も思ったより安い。聖子も何とか許してくれるかな。 (淳) 「実は掘り出し物の焙煎機が見つかったんだけど...。」 (聖) 「あら、思ったよりは安いのね。でも、置き場所はどうするの。」 (淳) 「改装が必要かなあ。改装費に100万くらい。その間、1週間くらいは臨時休業になっちゃうね。」 (聖) 「合計200万以上かかって、その上、売上が減るわけね。借金がまた増えるわね。あなたが、頑張ればしばらくは持つんじゃない。」 やっぱり無理なのでしょうか。と、あきらめかけていたところへ、東急百貨店の岡林さんから突然電話がかかってきたんです。 (岡林さん) 「突然のお電話で申し訳ありませんが、もし、良かったら東横店のB1、フードショーで1~2週間お店を出してみませんか。」 (淳) 「(びっくりして) うちみたいな小さなコーヒー豆屋でいいんですか?」 (岡) 「小さくでもこだわっているお店を探しているんです。あまり、大きいと他のデパートにも入ったりして差別化できませんし、小さいほうがオーナーのこだわりが出やすいですから。他にない、こだわったお店に入っていただけるとお客様も増えるんです。」 (淳) 「テナント料は高いんですよね?うち、そんなにお金ないんですけど」 (岡) 「いえ、とりあえず売上の何割かということで、売れた分だけお支払いいただければ良いんです。」 (淳) 「それならもう、是非、よろしく、お願いします。」 ウソみたいですよね。私も下見に行ってきたんですが、渋谷のハチ公広場のちょうど真下になるんです。お客様もたくさんいるし、ひょっとしたらけっこう売れるかも。しかも、改装工事をしている最中に渋谷で営業すれば、あまり休まなくても良いじゃないですか。 (淳) 「.....って言うことなんだけど、どうする?」 (聖) 「渋谷の東急なんだから、うちよりは相当売れるわよね。とすると、大きい釜を入れなきゃ無理か。張り切って売ってね。焙煎機代くらい稼ぐのよ。」 ということで、何とか大きい釜を入れてもらいました。でも、10日も休業すると常連のお客様にかなりのご迷惑をおかけしちゃいます。それで、臨時休業の前後にセールをやって勘弁してもらおうというわけです。今回の閉店セールは、豆はもちろんコーヒー器具がお買い得。最大50%引き。どんな商品でも20%引きにはなりますから、絶対狙い目です。在庫のないものはお取り寄せ致します。この機会に是非ご利用下さい。また、東急まで、わざわざ来てくださった方には、金メダルのキリマンジャロ モンデュール100gをプレゼント。お友達とご一緒ならば、お友達にもプレゼントします。おまちしていまーす。 焙煎人 佐野淳一 スパイ大作戦 ?! その1 -2001.08.- 7月の上旬、寝苦しく暑い夜だった。 「 おはよう!フェルプスくん。君もよく知っているように、世はデフレの嵐。どの企業も売上が伸びず、リストラが避けられない状況である。しかし、いくつかのコーヒー豆店は、順調に売上を伸ばし、人気を博している。 1枚目の写真は、札幌の昴珈琲。本店は広島県呉市だが、いきなり札幌に3店舗も出し、好調に業績を上げている超優良店。若干32才の2代目社長である。2枚目は、鹿児島県国分市のヴォアラ珈琲。人口三万人の地方都市にあり、チラシもDMもせずに、珈琲鳴館の2倍以上も売り上げる。ここのエスプレッソの香りは最高といわれている。こだわりの焙煎人はI氏。3枚目は.....。これら10店は、すべて、お客様に受け入れられ繁盛している店である。そこで、今回の使命だが、これらの店の味の秘密・繁盛の秘密を盗み出し、それをもって珈琲鳴館のお客様に奉仕していくことにある。 例によって、君およびそのメンバーが危機におちいり、再びリストラの憂き目にあっても当方は一切感知しないからそのつもりで。なお、この夢は自動的に終了する。(そんなの当たり前だ!)」 何かリアルですね。だけど俺は佐野だし、脱サラは自主的リストラだぞ。とはいっても、このまま売上が伸びないと店舗閉鎖に追い込まれちゃうのは間違い無いよな。お金無いけど、休むと売上落ちるけど、ここは思いきっていろんなお店にいって、いろいろ教えてもらおう。そう決心して、いってきました。 全国の名店。やっぱり、人気のお店は違いますね。商品の売り方が違う。企画が違う。値段が違う。味も違う。でもね。何か、自信もついちゃったんですよね。うちって結構いい線行ってるジャン。味だって当店より美味しいところは、そんなに無かったし、もうちょっと工夫すれば、当店も結構繁盛するかも。何か、先ゆきに希望が出てきたなあ。でも、そのちょっとの差が重要なんですよね。でも、いろいろバッチリ盗んできました。これから、味もさらにクリアになります、香りも倍増します。メッチャ安くします、ギフトも良くなります、もっともっと楽しくなります。お楽しみに。 ところで、今回の旅は、ホントに強行軍でした。最初に涼しい札幌からはじめちゃって、風邪 引いちゃったんですよね。途中の神戸ではつらくてつらくて丸一日ホテルで休んじゃいました。お陰で、何店か行けなくなっちゃいました。その後はコーヒーを味見してもよくわからないし、なんかボーっとして、話しをしてても受け答えが変なんですよね。全部のお店で豆を買って、戻ってから味比べをすることになっちゃった。お金、使いすぎ。珈琲、飲みすぎ。 ドキュメント 「4割引はこうして決まった。」 ( 2001.9. ) このあいだの夜。仕事から帰り、風呂にはいって、ああ、さっぱり。さあ、飯にしようかなあ。 私) あっ。ビール買ってくるの忘れたよ。 家内) 買っておいたわよ。新しいの出たみたいだから。 私) うれしいねぇ。(出てきた缶を見て)おっ、これホントのビール? うちもついにビールにグレードアップか。 家内) 何いってんのよ。発泡酒よ。発泡酒。 ビールなんて10年早いわ。 トホホ。やっぱり10年早かったか。 そういえば、夏休みに私は一人、全国の焙煎店を回ってきました。札幌、神戸、鹿児島。8店舗です。味では全然負けてないけど、売り方、いい生豆の仕入れ、などなど。いろいろ、盗んで、いえ、勉強してきました。 家) やっぱり行って良かったわよね。イイ生豆で、コクが深い、香りが抜群に良いって評判よ。でも、仕入れがさらに高くなっちゃったわ。今までと同じ値段で大丈夫なの。 私) でもね、A店は、500g売りで3割引にしてたよ。そのせいか、ずいぶん売れてたなあ。お客さんも喜んでたし。 家) わかったわ。お客様に安くて美味しいコーヒーをたくさん飲んでもらえばイイのね。 私) そうだよね。じゃあ、全品2割引から始めてみる? 家) なんですって!そんなみみっちいことでどうするの。 あなた、××ついてるの。もうやけっぱちよ。 全品4割引にするのよ!そして、あなた、 4倍売るのよ! うまくて、安い! 皆、喜ぶわよ~。 私) 4倍って.....そんなに、誰が焙煎するの? 家) あなたに決まってるじゃないの。 イイ、寝ないで焼くのよ!わかったわね!! 私) ................。 また、家内に押し切られてしまいました。まあ、お客様が喜んで、売上が増えてくれれば、いいか。でも、よーく考えると、 4割引するってことは、売上が4割減るってことなんですよね。4倍は売れないと思うけど、やっぱり倍くらいに伸びてくれないとやっていけないよなあ。 これが好評でしたら、続けていきたいと思っています。この先も、4割引させていただく会員様も募集中ですので、よろしかったら、お申し込み下さい。もちろん、入会無料です。 PS. 家内はホントにもっとやさしいんですよ。トホホ。 東急東横店に斉藤アナウンサー来店。 -2001.10.- ママの聖子で~す。渋谷東急さんの出店で私が販売していると、どこかで見たようなちょっと太目の大男が小さくて美人の奥さんを連れてやってきたんです。それが、なんとTBSはなまるマーケットの斉藤アナウンサー。どどどうしよう。斉藤さんだわ。 私) ご試飲いかがですか。....ひょっとして斉藤さんですか。 斉藤さん) (周りを見まわしながら)あ、はい。 私) わー。私、はなまるマーケットのファンなんです。 ほら、うちのコーヒー、はなまるブレンドが あるんですよ。 ソフトが斉藤さん、スイートが岡江さん、ビターが 薬丸さんのイメージなんです。よかったら、どうぞ。 斉藤さん) でも、ソフトはないですね。 (やばい、今日ソフトはあんまり持ってこなかったんだわ。) 私) いえ、もう大評判で売りきれちゃって。 ごめんなさい。 (斉藤さん、奥さんと相談してる。ホント仲良さそう。そういえば、新婚さんだったわね。いいな~。) 斉藤さん)じゃ、無農薬有機の「まろや香ブレンド」と ブルマンを200gずつください。豆で。 (豆ですって、毎朝奥さんが挽いていれるのかしら。) 私)ありがとうございます。はなまるソフト売り切れで ごめんなさい。また、今度送らせていただきます。。 斉藤さん) 良いんですよ。頑張ってくださいね。 私) ありがとうございました~。 あっ。どうして、一緒に写真とらなかったのかしら。くやし~ 天然ボケのママでした。 PS.この後、TBSにコーヒーを送ったんです。すると。2・3日して斉藤さんからわざわざお電話いただきました。一つは、お礼と、もう一つは、もう送らないで下さいと言う話。テレビ局って、最近の細菌テロ騒ぎで、もう大変なんですね。斉藤さんの立会いのもとに開封して確認してくれたそうです。色紙も送ってくれたし、それはもう丁寧なお話で、テレビのままの斉藤さんでした。本当にご迷惑かけてすいません。根がミーハーなもので。 こ、こんなことが「228事件」 -2001.11.- ある日の夕方。家内が店番をしていると、歳のころは、60前後。ちょっと品のよさそうな奥様がご来店、ちょうどブルマンのご試飲していたとき。 お客様) あら、おいしいわ~。安いじゃない。 このブルマンNo.1。 下さる。 200g。 家内) ありがとうございます。これは、No.1の中でも 最高級のウォーレンフォードなんですよ。 こちらは、粉に致しますか? 客) ええ、ペーパー用でね。そう、ウォーレンフォードなのね。 家) 承知致しました。少しお待ち下さいませ。 家内が、コーヒーを挽き、レジを打ちます。 家) そうしますと、お客様。2280円ですから、税込みで、2394円でございます。 するとお客様動きがピタリと止まりました。 客) えっ? 228円じゃないの!? じゃ、いらないわ。 すたすたと消え去るお客様。 家) ....だって、これNo.1よ。....粉にしちゃったのに。いったい、どうすんの?トホホ。 おばさんパワーってすんごいですね。でも、この後、別のおばさんが、そのコーヒー買ってくれたそうです。めでたしめでたし。(パパ) ママ、うふふっ 「あなた結婚..」 -2002.11.- もう、パパッたらやだわ。××だなんて、そんなことあたしが言うわけないじゃないの。そうそう、決して、自慢してるわけじゃないんですけどぉ、あたしが、やっぱり 東急さんで販売しているときに、二人の品のよさそうなおば様が、あたしの方をじっと見てるの。男性でもないのにどうしたのかしらと思ってたら、一人のおば様がいきなり おば様A) あなた、結婚なさってるの? あたし) .....?...ええ、はい。 そしたら、また、二人でごそごそ話してるの。 おば様B) (さっきのおば様に)あなたっ、手遅れよ。 やだわ。どうしたのかしら。 おば様B) あっ、ごめんなさい。この人ッたらね。自分の 息子に、あなたがどうかしらって、思ってるのよ。 こんなきれいな人が決まっていないはずないって 言ったんだけどね。 おば様A) そうなのよ、あなたなら、うるさい息子でも 気に入ると思ったんだけど、やっぱりねえ。でも、 お子さんはまだなんでしょ、頑張りなさいね。 ですって、やっばり、あだじってまだ20代? うふっ、うふっ、ぐふふふふ。お金持ちそうなおば様だったし、もう少し早く言ってくれれば良いのに。あっ、パパ、ゴメンネ。 スタッフ大募集!! [私達と美味しいコーヒー作りませんか。] -2002.01.- 朝、眠い目をこすって、ようやく起きました。時計を見ると、ゲゲ、7時半。2階に上がると、み~んな、ぐっすり。(我が家は夫婦別床です。旦那のイビキがうるさい(聖子)) 私) こらーッ。 おきろー。 遅刻するぞー。 家内) 今、田村正和と買い物してるの。ちょっと待って。 私) なに変な夢見てんの、もう、7時半だよ。 家内) ゲッ。何で、もっと早く起こさないのよ! 淳子! 一聖! 早く、起きなさい!!! 今日も今日とて、騒がしい。子供達はしぶとく眠ってるし、今日も緑のおばさんに小言を言われるんだろうなあ。「お宅の子。もう少し早く来れないのかい。待ってるのも大変なんだよ。」 すいませ~ん。 子供達をようやく送り出して、さあ僕らも出勤だ。 私) 4割引、やって良かったねぇ。かなり、好評だよ。口コミで、 新しい人も増えてきたし。 家) 私の言った通りでしょう。やっぱり、安くて美味しいのが受けるのよ。 この先もずっと続けましょうね。 私) そうしよう。会員さん限定でね。ママの言った4倍はともかく、結構伸びて きたから、焙煎が大変になってきたよ。東急さんが重なってくると 厳しいなあ。 家) 寝ないで頑張るのよ。 私) そんなこと言わないでよ。これでも頑張ってるんだから。これ以上 売れるようなら、なにか考えないと。僕が倒れたらおしまいだよ。 家) おっ。 あたしを脅す気? 私) とんでもございません! (あぶなかった~。) 家) まあ、いいわ。でも、パパもちょっと大変よね。もっと焼くためには どうしたらいいの。 私) 焙煎機を大きくするか。 焙煎時間を長くするか。店で販売してくれる 人がいれば、もっと焼けるんだけど。新しい焙煎機は、 何百万もかかるなあ。 家) あたしも、東急さんに行かないと行けないしねぇ。 ということで、私達と一緒に美味しいコーヒーを販売してくれる方、作ってくれる方、大募集です。是非是非、ご応募を。 スタッフ大募集!! ・ パート、アルバイト大歓迎。勤務時間、相談に応じます。 ・ コーヒー初心者、独立志望の方も大歓迎です。 ・ 美味しいコーヒーのいれ方、焼き方、覚えられます。 ・ 喫茶店、自家焙煎店、開店の修行できます。 ・ コーヒーが好きな方。笑顔でお待ちしてま~す。 ・ 詳しくは、おたずね下さい。 PS 500g 4割引は、ごひいきにしてくださる会員様限定です。会員様は随時募集中ですので、よろしかったら、お申し込み下さい。もちろん、入会無料です。
ママはてんねんボケ!(byパパ) -2002.01.- うちのママはてんねんです。この間も配達の道順を聞くと、 「xxさんちは、マクドナルドの角を曲がって、...」 でも、マクドナルドなんてどこにも無い。店に電話すると、 「えっ?無いの?そんなはずないんだけど。」 「モスバーガーしかないよ。」 「あっ、それそれ。どっちもMだから間違えやすいのよね。」 だって。このあいだは、渋谷の東急さんで。 お客様 「この、はなまるブレンド美味しいよね。」 ママ 「いつも、いつもありがとうございます。お客様のお名前、 伺ってもよろしいですか?」 お客様 「はなまる です。」 ママ 「えっ! はなまるさんですか。それは偶然ですね。」 お客様 「いえ、かなまる です。」 (一同、大爆笑) てんねんはうつるんでしょうか。最近、感染者が増えているようです。 若いカップル 「キリマンジャロ ボンジュール下さい。」 ママ 「あっ、モンジュールですね。承知しました。」 おばさまA 「あれ、美味しかったわ。ラスベガス」 ママ 「グァテマラ ラス・ヌベスですね。ありがとうございます。」 おばさまB 「あれ、何て言ったかしら、そうそう、ブルマンブレンドのもろみ」 ママ 「はいはい、まろみでございますね。」 どうして、ママにはすぐわかっちゃうの?珈琲鳴館に来るとてんねんが、うつっちゃうかも。皆さん、くれぐれも、ご注意を。 ―ママよりー 今年の冬はけっこう暖かいですねぇ。私、ホントに寒いの嫌いだから助かってます。ところで、このタイトルは何?失礼しちゃうわ。あたしのはてんねんじゃなくて、ホントにボケてあげてるの。 新ブレンド登場!! マイルドタイプの「鳴館セレクト」 ようやくできました。マイルドタイプの一押しブレンド。昨年末、限定で出したグァテマラ ラス・ヌベスの後味の良さに感動して、何とかこの味を年中出せないものかと工夫を重ねたのが、今回登場したブレンド「鳴館セレクト」です。 苦味・酸味は控えめで、すっと口に入ってゆくのにしっかりした甘味・味がある。後味のキレが良く何杯でも飲めてしまう。ラスヌベスの良さをすべて持ちながら、香りはさらに甘く、しっかりしています。モカ・ブラジル・コロンビアともう一つ(これは秘密)、各国の最高の豆だけを使いました。ようやく、お店の名前をつけられる自信作の完成です。今までのブレンドもかなり美味しいのですが、それぞれに個性があって。万人向けとは行きませんでした。「鳴館セレクト」は誰もが納得する美味しさです。ただし、苦~いのが好きな方はちっと物足りないかもしれません。でも、新しいコーヒーのおいしさを感じていただけると思います。また、今までコーヒーが苦手だった方にも楽しんでいただける、まさに誰もがうなる美味しさです。これで、どんな方がいらしても、まずおすすめは、「鳴館セレクト」。決まりです。 香る珈琲伝道師 佐野淳一 波乱万丈の、3周年! 皆様に感謝、感謝の毎日です。 -1999年5月- 電話を取ると妹が叫んでいた。「お父さんが、...。早く来て、お兄ちゃん。」。家内も、私も疲労の極限だった。つい2週間前に、オープンしたばかり。2人の子供にも無理がかかり、風邪で入院中。翌朝、一番の飛行機で実家の札幌へ。間に合わなかった。「この親不孝もの!」 母の叱責が心にこたえた。だが、それは苦闘の始まりでしかなかった。 -2000年4月(1年後)-。浅い眠りから、醒める。天井を見ながら、何度思ったことだろう。「首でも吊れば楽になれるかな。」 昨夜、また女房を責めてしまった。「お前さえ言い出さなかったら..」そんなことしか言えない自分が情けない。「こんなダメなやつは、この世にいないほうがマシだ。」....五千円しか売れない日もあった。会社を起こして25年の先輩が、「1年目は辛抱。2年目は希望。3年目は待望。4年たてば鬼に金棒。とにかく、3年頑張りなさい。」開店当初に言ってくれた言葉だけを支えに、もがいていた。 -2000年12月(さらに、半年後)-。少しは、売れた。でも、1月は逆戻り。女房は持病の胃潰瘍でしょっちゅう寝込んでしまう。このまま、続けても大丈夫なのだろうか。 私達、夫婦をいつも励ましてくれるおじいさんから、手紙をいただく。「自分が自営を始めたときを思い出す。君と僕とは前世で兄弟だったのか。 頑張れ。いつの日か万歳!」その夜は眠れなかった。 一晩中、二人で泣いていた。 -2001年4月-。開店二周年だ。4/19から東急の東横店で、1週間臨時の出店をさせてもらう。先方様から突然の電話だった。「よろしかったら、東急に出て見ませんか。」幸運としか言いようがない。僕らにも、ようやく薄日が差してきたのかもしれない。 -でも、それは嵐の前の静けさだった- 波乱万丈 感動巨編は、次号につづく! 波乱万丈の3周年!(後編) 皆様に感謝、感謝の毎日です。 -2001年4月- 東急さんをこなすために焙煎機を導入する。そのために改装も必要だ。店は二週間休むことにし、その間に一時閉店セール・改装・焙煎機設置・東急出店・新装開店セールと行く段取り。さあ、戦闘開始だ。 閉店セール準備する。チラシ作り。焙煎。器具仕入れ。売り場作り。セール前日は徹夜。何とか、間に合う。売れた。4日で100万円。通常の5倍。閉店セールはこうも売れるのか。青山の気持ちが良くわかる。(ちなみにこのときの記録はいまだに破られていません。) 翌日から、焙煎機の仮設置・試運転。並行して改装工事が始まる。工事をしている日中は焙煎ができない。東急の販売に家内の友達の洋子ちゃんをアルバイトで頼む。出店前日。東急さんでの設営。売り場は自分で作らなければならない。見よう見まねで作ってみる。期間中は、早朝1時起きて店へ、焙煎を始める。7時に切り上げ帰宅。上の子は小学校に上がったばかり、上の子を送り出し、下の子は保育所へ送る。家内を乗せて渋谷東急へ。9時過ぎ着。売り場を直し商品陳列。10時開店。13時に洋子ちゃんが来て、私と交代。私は車で戻る。上の子は帰っている。仮眠後、保育所にお迎え、二人と食事に行き、風呂にいれ、母親を恋しがるのをなだめて一緒に寝る。家内は深夜に帰宅。デパートでの販売は疲れる。疲労困憊だが洗濯をして就寝。交代で私が起きる。 地獄のような一週間。一流企業で管理職まで務めた僕がどうしてこんな苦労をしているのだろうか。愚痴がふと頭によぎる。ここが辛抱のしどころだ、今に見ていろ。必ず日本一のコーヒー屋になるんだ。 -2001年夏- 4月・5月は、そこそこ売れた。借金は増えたが。しかし、夏はいつもの売上。不安が募る日日。そんなところへ、学生の前田みづきさんが来店。当店に就職したいという。本気かい?バイトしながら様子を見たらとすすめる。 -2001年9月- 再び、東急出店。が、2日目、家内が体調を崩す。急遽、店を臨時休業し、私が販売へ。昼間は販売。夜は焙煎。ほとんど、眠る暇なし。でも、何とか、1週間持たせる。 -2001年10月- 再び、東急出店。家内は何とか、復調。でも、通常より大幅に売れる。子供の世話もあり。またまた、眠る暇なし。でも、来月から、毎月の出店を打診される。吉祥寺店の出店もあり。人材の確保が急務だ。11月、12月となんとかこなす。お客様の高木さんがパートで入ってくれることになる。週二回。 -2002年1月- 再び、家内の体調が思わしくない。お客様の井上さんの彼女である青井さんに頼み込んでバイトを受けてもらう。伊勢丹のアンデルセンに勤めていたとのこと。働き者のいい娘だ。このまま手伝ってくれないだろうか。みづきちゃんも就職を決意した。 -2002年3月- 青井さん、みづきちゃんの歓迎会をかね、ご家族もお呼びして、ささやかな宴会。こんな日が来るとは思いもしなかった。家内と喜び合う。 -2002年4月- もうすぐ、3周年を迎える。ご愛顧くださったお客様にゴールド会員になっていただき、メッセージを御願いする。500人もの皆さんが本当に暖かいメッセージをお寄せくださる。お客様の励ましあっての珈琲鳴館だ。スタッフにも恵まれた。お客様にも恵まれた。本当に感謝。本当に感謝。 -御礼- 皆様の応援のおかげで当店もなんとか3年間やってくることができました。本当に感謝申し上げます。相変わらずの、しがないコーヒー屋ですが、「美味しさに一生懸命」でがんばって参ります。今後ともよろしく、御願い申し上げます。 佐野 淳一・聖子
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